まわれアザラシ、棍棒よけて。

公演の宣伝用ブログ 兼 雑記

22歳⑥

TITLE: いまさらバーニングスキン

CATEGORY: 読書

DATE: 07/29/2012 12:06:13

 

岡崎京子にはまっている。いまさらすぎる。
時代がね、もうね、なんとやら、
15年〜20年ほどズレてます。

なんかね、現実逃避したいんだと思うわ。
そういうときに、逃げる先といったら、架空の世界か、
違う時代です。

時代っていうほどじゃないかもしれないけれど、僕は1990年生まれで、

1990年も、
1980年も、
1970年も、
1960年も、

知らない。よって憧れやら興味やら色々あります。
(↑それ以前になると、流石に憧れはしないなぁ)

それで、最近読んだりするのは、「スカだった」80年代後半〜90年代前半の岡崎京子のマンガ。
最近、一番、現実逃避ができるのが、岡崎京子の漫画なのだ。

読み終わったあとに、空気の色がね、ちょっと違って見えるような、
それは決して素晴らしい気持ちでもないんだけれど、
むしろ、現実が退屈で、ここじゃないどこかに行きたい気持ちになります。

たとえば、”アメリカ”
もちろん現実のアメリカではない。

ボニーとクライドが撃ち殺される瞬間のような”アメリカ”
線路を歩いて、死体を探しに行くような”アメリカ”
軍隊なんか好きじゃないけど、群青色の制服、
サングラス、
そして太陽、

最近の、この息切れしたような太陽じゃなくて(昔の太陽はもっと容赦なかったような気がする、なーんて。)
もっと強い。軽く皮膚がこげるような、焦げた匂いとたばことジントニック、混じり合った、

読み終わったあとに、天井を見上げ、その色の薄さに不満を持ちつつ思ったのです、
あー、アメリカ行きたい。

結局、何もしないけれど、
どこへいっても同じだけど、だからどこへもいけないけど。
でも、お金で遊ぶ。

どこへも行けない、なにも変わらない、
それがわかっていて
「世界? 滅びたいなら滅んじゃいなよ?」というつつ、ベッドのなかで乳繰り合う80年代。
コカ・コーラをビンでのみ、馬鹿みたいな円盤、レコードなんか本気で買ってた80年代。

いまちょっと熱いっす、僕の中で。(60年代はうざいから嫌だなぁ。とか思ったりするのはなんでなんだろう? 怖い人が多そうだからか、)

でもあくまで80年代は80年代なんだよなぁ。
今は10年代、とでも言うのだろうか。
どーなんだろうか、今は。
今の時代と僕は何か関係あるんだろうか? あるんじゃない、きっと。じゃないと80年代に憧れたりしないだろう。



とにかく暑いっす、部屋が。
風鈴買いに行こう。かわいいやつ。

 

〜〜〜

 「80年代はスカだった」という表現を目にしたのはどこでだったか? 菊地成孔のディスクガイド『ロックとフォークのない20世紀』のなかで見たような気がするし、違う言い方だけど、宮沢章夫の『80年代地下文化講義』(←こんな書名ない気がする。サブカルチャーについての東大での講義録。60年代から扱ってた)のなかにもこういった表現はある気がする。

 当時の自意識では、そして今なお、僕はよく知りもしない60年代カルチャーに対する憧れがほとんどない。好きな音楽はたくさんある。ロックの名盤が死ぬほど生まれた年だし。好きな映画も山ほどある。でも、60年代については特になんにもない。当時に生きたいとも思わないし(ってかどの時代もそうだ)当時を舞台にした作品を作りたいとも思わない。当時を舞台にした作品がとくに好きだと言うわけでもない。(作られたのが本当の60年代ってだけで)

 一番共感がないというか、同化できないのが革命とかヒッピーカルチャーとか。それゆえに、逆に興味があるというか、パロディとしてのそれにはすごく弱い、というかパロディじゃなくてもパロディみたいに見えて笑っちゃう(大島渚の『2度目の処女』のDVDを大学図書館で見ているときに笑いすぎて死にそうになった)はっきりいって好きだ。だから、これからも積極的に消費したいし、作品化もしていきたい。だけど、パロディでもなく本気で革命がどうこう言ってる作品をみると(たまにあるんだよ、同世代で作ってた奴もいた、今の学生が当時にタイムスリップして、みたいな)全く自分とは好みが違うなと思う。

 逆に80年代はわりと全体的に好きだ。ファッションも、ハイアートとか哲学とかを無理矢理引用したりするスノッブなところとか大好き。嫌いなのは音楽くらいだ。あと、映画も嫌いなのあるなぁ。

 でも好き。なんか馬鹿っぽくて好き。贅沢で、悪趣味で、好き。

 

 という話と、岡崎京子が好き、という話が上のブログでの話題だと思う。センチメンタルで、言葉遣いがしっくりくるところ。あと、日本人なのに、洋物趣味なところ、固有名詞ばっかり出てくるところ、散々遊んだあとに虚しくなるのに、それでもやってしまうところ。文学趣味なところ。真理を言いたがるところ。等が好き。やはり80年代は良い。ビックリハウス