まわれアザラシ、棍棒よけて。

公演の宣伝用ブログ 兼 雑記

21歳③①

頭痛い。
今日は○○○「×××」と悪い芝居「猿に恋」の二本見る。

ガレキはいまいち、というか面白くなかった。単調。シーンが飛びまくるくせにひとつひとつのシーンが退屈。シーンの間に入っている語りが説明にしかなってなくて、一人の女の人生語り、という手法だけど、ホントに説明されただけだから、まったく印象に残らない。こういう話、手法ともに、映画の方がまだ向いてそうだけど、映画にしても退屈だろうな。ぐらい、演劇を感じなかった演劇。

猿に恋。言葉がない原始人演劇、しだいに進化していく。セリフがないのに意味が伝わるということはなかなかすごいことではないか? 普通にやったら、鳴き声にしても、ジェスチャーにしても種切れしそうだからすごい。
アフタートークで、本公演のあいまに、実験公演として、セリフを使わない、演劇をしよう、ということだったけれど、たしかに、この公演を打つことは、言葉以外の表現力を磨く稽古になりそう。練習としてパクリたい。

言葉を使わずに伝わるシーンはいい。
ラスト間際のシーン、ロングクリスマスディナーみたいな、登場人物たちが、次々と、子供を産んでは死に、産んでは死に、時代が進み、子供たちが言語や様々なものを獲得していくところなど面白かった。


下北にてヴィレバン、古書ビビビで買い物。
ヴィレバンの本はどうしてあんなにツボな、品ぞろえ、せきしろのエッセイ「去年ルノアールで」、モンティパイソンのテキスト集「空飛ぶモンティパイソン」買う。実に下北(サブカル)な買い物。あと川上未映子の、エッセイ集とか、

電車にて舞城王太郎の短編集読む、「スクールアタックシンドローム」一言でいうと、スカッとする読後感。カッコいい人生考察、カッコ良くないカッコよさ、そんですげぇー読みやすい、こーゆーのリーダービリティが高いっていうんだって、へぇー、たぶん二度と使わない横文字。

きのうは、「熊の居場所」読んだ。古川日出男とかも、そうなんだけど、
普通は(せまい)常識的にありえないからやめとこう、みたいな設定を平気で作って、ぐんぐん引っ張る。
嘘やろ? どんだけ大風呂敷広げるの? っていうアレをさらに悪ノリ悪ノリで、加速させて、収束させようが、させまいが、やがて綺麗なものが一つできる。

作家って、でかい嘘がつければつけるほど、面白いお話が書けるのではないかしら、と思った。とにかく嘘つきであればいいのだ、リアリティーとか、考証とか、こちょこちょやるヒマあったら新しい嘘をつく。嘘で嘘を塗り固める、うそっぷだ、それは物語だ。日常から大嘘つきであれば楽しいな。昨日観た「ビッグフィッシュ」じゃないけど。嘘つきは嘘を貫き通さないといけない。

ドラマリーディング用の台本書いた。勢いで書いたから第一稿、ほんとに引かれる内容、読んでくれるT君には、しばらく頭が上がりません。
まじで、クオリティー上げないと、変態扱い確定である。
こう見えて今けっこう吐きそうだからパソコンなんてやめて、早めに寝よう。

では。

 

〜〜〜

このとき書いていたのは『それゆけ筒人間』という作品。

これの上演が酷かった。

脚本の出来もそうだが、

痛い記憶だ。

 

僕が1年のときに、劇作コース会主宰で「ドラマ・リーディング」する会が設けられた。

ドラマ・リーディングとは演劇の台本を朗読する形式の発表会。セリフを覚える手間も、セットを用意する手間も(基本は)ないので、上演に比べればかなりお手軽な発表形式だ。

 

劇作コース生にとっては学校の施設や設備を使って、自作を発表できる絶好の機会となり。この後、恒例化される。(だんだん豪華な企画になり、演技コースの役者を使ったり、僕が卒業した年には先生同士の対談なんかもイベントに組み込まれた)

 

「それゆけ筒人間」は筒にお湯を注げば10分間だけ生まれる人間(筒人間)が、お湯をかけた人間から何か用事を頼まれるが、寿命が10分しかないので、大したことは出来ない、という映画『美女缶』のパクリみたいなワンシチュエーション・コメディで、すごくつまらなかった。

上演時間と筒人間の寿命がリンクしている。というところで叙情を表せないか、とか、あがいてみたが、本番までに全然よくならない焦りにより、いっそ台本を捨てて、コンセプトで勝負に出ることにした。

 

リハーサルでは「筒人間」の台本全文を読む。そして本番では、途中まで「筒人間」を読むが、突然「こんなの(台本)どうでもいいんだよーっ! と台本を破き、当時Tくんが好きだった本田翼宛のラヴレターを読んでもらうと言う非道な内容だ。(※劇作コース同士で、役者をしたり、観客をしたりしていたので、リハーサルと本番では大分客が被っていた。なので、企画の性格上、本番一発勝負となる)

 

役者は僕とTくんのみ。突然台本を破り、芝居を別物にシフトする権限は僕のみにある。Tくんもそれがいつ始るのか、それとも、始らないのか、不安そうだった。

 

本番中はすごくどきどきした。想像して欲しい。このまま普通に読み続けて終われば、ふつーに収まる。でも決心して口から泡吹きながら台本を破り捨て、適当にアドリブで繋ぎながら、Tくんに本田翼宛のラブレターを読ませればそれはもうどうなるかわからない。というか、それは面白いのか?

 

結果、敗北した。

泡吹く方向で、敗北した。

 

リハーサルと本番で全くべつのことするというのは、まさに外道のやり方であるが、世にないことではない。だが、生放送で放送禁止的なことをするために、リハーサルでは違うことするみたいな必然性が特になかったので、「アイツは何でリハーサルと全然違うことを、しかもよくわからないことをしたんだ?」というのが、見ていた側の正直な感想ではないかと思う。

本番だけ見た人にとっては、話が尻切れトンボであったし、唐突に台本の上演を放棄してまで僕が、何がしたかったのか、よく伝わらない出来になっていたのではないかと思う。

 

そう、何がしたいか、ということが特になく、ただ、奇策を使ってまで、一定の賞賛を浴びたかった、という思いが空回りし、核なきサプライズをプレゼント(「現前」の方)してしまったのがダメだった。理屈はともかく完全にダメだった。

 

「筒人間」は僕にも(おそらく)Tくんにもトラウマになり、Tくんはそのせいであまり本田翼が好きじゃなくなった。僕も、自作を上演するということが、怖くなった。

 

なんという自業自得。

なんという自縄自縛。

 

そしてごめんよTくん。

ごめんなさい本田翼。

 

上演後のブログがこれ↓

  

TITLE:反省猿で猿山ができる。

CATEGORY: 演劇 

DATE: 01/13/2012 23:28:31

 

バカだオレは。

演劇ではないものをしてしまった。
ただの悲惨なアドリブだ。

ゴミだおれは。
今回のリーディングでは、俺に物を作る力がないことが、露呈しただけではなく、たくさんの人に迷惑をかけた。僕だけの問題じゃない、ことをしでかしてしまった。
変な空気を作った。人の作品にまで影響した。

なんで泣こうとしてるのオレ死ねばいいのに。

なんて言っても仕方ないけど。
反省できるか、
頭良くなることは無理だから、
次は事前に反省できるようになりたい。
公演前の反省会、なんてのもいい。

反省すらままならない立派な脳みそを持った猿は、
Tくんに助けてもらって、ようやく(少しは)反省できた。

Tくんと相談するだけでよかったのだ、
一人でぐちぐち考えて、なんにもできなく、本番まで、遊びちらし、
頭を使わず、時間も使わず、うまくいくはずがないだろアホ。
そもそもうまく行かせようという気がなかっただろ? 辞めちまえよ。

人のアンケートにボロクソ書く前に、自分の先品をボロクソにしてなんとかしろよ、ちんちん、
ボケ、脳みそ陥没させて、塩でも吹いて、死ね。油も取れないくせに、体まで全部ゴミかよ、ゴミ。

気持ちがいいね、罵声だけ書いて、
冷静に悪いところを分析して、次に役立てるなんて、人間みたいなこと、高等すぎて、脳が処理できないわね、類人猿。悲しけど、全部ほんとだわ。当たってるわ。

この悲しみをバネになんて、自慰行為できるほど、おめでたくはないし、一体なにをどう考えたらそんな素っ頓狂な、結論が出るのかわからない、

とにかく、演劇をするってこと、もしくは、ほかのなんでも、まともに事を為そうとするときは、一切の不安のない状態にしなければならない、

面白がるどころか、磐石の自信を持って、ことに当たらなければならないというのに、
自信の、自の字も出ない、
謙虚なわけでもない、
やることをやって、初めて謙虚と言えるのに、

メリットとデメリットをきちっと考えられない。
想定できないやつには、想像力のないやつには、演劇はできない、や、大抵のことはできない、
僕にはその資質が全く欠けている、それは事実、
その大きな欠点を補うことができなければ、ものづくりどころか、社会生活すらままならない、
欠点を完全に認識しているとはいえない、
完全にどころか全然認識できてないのでは、
どこをどうカバーしようとも、人に頼ればいいのやら、

欠点をごまかす才能などないのだから、
勘違いしてた瞬間はあったっけ?
自分が並以下であること、
得意なことがあっても、普通の領域を到底超えてない、そう、認識していると思っていたが、
(そして、自信というものが全くない、そんなやつに芝居ができるか)

なにも考えてない、
脳みそ集まってない
考えようとしても考えられない、
助けを求めろよ、助けてくれる人がいるうちに、
頭を使うやり方を、少しづつでも、覚えろよ、
大人だろ? とうてい言えないぞ、
21とは、



・ひとつ、己のやる(やりたい)ことに最後まで、自信がなく、優柔不断で、役者を不安にさせた。ほんとにやりたかったのか?
・ふたつ、必要のない、練習不足。狙いじゃない練習不足。
・みっつ、すべて99%偶然に頼った私は、馬鹿以外何物でもない。
・よっつ、事前に他の公演への影響を考えて、順番なり、なんなり考えて決めるべきであった。事前に様々な要素を考えろよ、なんでこう視野が狭い、思考停止?
・そもそも台本の段階から、近頃は思考停止も甚だしい、せめて、分かっている欠点は直せよ、それでようやく、普通のできと言えるんだから、常に駄作を作るなよ。

 

 

 

〜〜〜〜 

その後。

Tくんの書いた芝居に、僕は何回か出た。

いちばん最近フェスでやったやつの台本には「大島くんが何かして繋ぐ(何するかは演出と考えてください)」としか書いてなかった。客に子供がいっぱいいたから凄い反応してくれた。

おかげさまで面白い思いができた。

 もう真剣に悩むことは、きっとあんまない。