まわれアザラシ、棍棒よけて。

公演の宣伝用ブログ 兼 雑記

20歳⑦

DATE: 01/06/2011 22:13:12 ----- BODY: 舞台系フリーターの先輩と寒空の下、小一時間立ち話する。

演出って、けっきょく洗脳だな、という話で盛り上がった。
いかにこちらの意図に気付かれずに、本気にさせるか。
まったくバカバカしいことをしているのに、役者はみんな泣いている、みたいな。
もう、自分が何をしているのか、わけのわからない状態にしてやるのだ。
そんな時にしか、出来ない芝居もある。
決して役者に気付かせてはいけない。

という、話を聞いた。うーん、どうなんでしょう?たしかに演劇って、そういう面があると思う。

完全に洗脳された人たちの芝居って恐ろしい。常識とか、限度を超えている。だけど、そんな演劇集団がウヨウヨしてる。
ボクも洗脳されているだろう、やはり。

今日のケイコ。
やればやるほど不毛な芝居になってくる。無駄が増える。
今日のケイコでは50分の台本が、68分になった。
この無駄さ、不毛さは愛おしい。ボンボン積んでいこう。

その場に出ない役者には、演出助手的な仕事をしてもらう。
ボクが流しケイコを観ながら思ったことを、横の奴にボソッとつぶやくと、台本にフセンを貼ってくれる。
観終わったあとに、ダメだしが、大量かつ高速で出来るし、後にも残る。
役者がそのダメだしを消化したら、フセンを外せばいいし、出来なかったらキレたらいい。

同じダメだしが多いときなんか、すごく効率的だ。書かないで済む。違うダメポイントが浮上して来たときも、前のダメポイントと比較したり、一緒に見ることができる。

と、同時に、通しのときなど、誰か一人に、パソコンに張り付いてもらう。(今日は制作のチーフ)
なにをしてもらうかというと、出てきたアドリブの部分を全部文字に起こしてもらう。

ウチに帰って、どちらがいいか、現行の台本と比較したりするんだけど、大体アドリブの方が面白い。

こういう分業は、初めこそ違和感があれど、慣れると強い。
皆さん、ホントにありがとうございます。そういうことも、どんどん言ってかないとなぁ。

 

〜〜〜

舞台系フリーターの先輩はいい人だ。今も演劇の仕事をしている。

懐かしい。当時、僕の世界には演劇しかなくて、と書けば大げさだが、

限りなく演劇の存在が大きくて、演出家、だとか、劇作家、だとか、役者、

というものがこの世界のメインで、将来のこととかはとくに考えず、

ただ、舞台を見ること、作ること、そのために、映画を見たり本を読んだりすること、が人生だった。

 

そのときの(今も?)桜美林大学のプルヌスホールという小劇場前では、たむろした黒い服きた連中と、役者が、稽古終わりにだらだらと演劇の話をずっとしていた。

演出とは、こうだ、とか、役者ならこうだ、とか。

当時僕の世界には演劇しかなくて、と書けば大げさだが、僕だけではなかったのだ。

当時、僕たちの世界には演劇しかなくて、と書けば大げさだが……