まわれアザラシ、棍棒よけて。

公演の宣伝用ブログ 兼 雑記

21歳②④

TITLE: 「優秀新人戯曲集 2012」について

DATE: 12/28/2011 20:15:33

BODY: 優秀新人戯曲集とは。

劇作家協会新人賞を選ぶ際の、最終候補作を全て収録したオトクな本。2012年は6作収録! 過去には松井周とか、吉田小夏とか、黒川陽子とか、下西啓正とか、いちいち名前を挙げるのが面倒なぐらい今キてる作家陣の作品がボロボロ載っているシリーズ。こいつら全員爆死したら、あっという間に我々の世代の劇作家層薄くなって仕事回って来ねぇかなぁ、みたいな奴らども。

そして今年の本は、あの毒舌っぷりがかわいい坂手洋二をして、「例年ならどれが新人賞とってもおかしくないレベル、それが6本も入った、実にお買い得な本。」と言わしめた。

収録作について。

「ロクな死にかた」

ボクが好きだった(芝居ってなんか過去形でしか語れない気がする。)ひょっとこ乱舞の「ロクな死に方」が入っている。いま読み返すと、なんというか、バランスがいい戯曲。

死というものを、どう受け入れる? 死んだ彼の周りのお話、死んじゃった彼自身のお話、そして、これから死ぬ人の、つまり、あなた、あなたも、あなたもあなたも! すべての人の、お話。

非現実的な光景をイメージさせる語り。
寓話のような、ひとつのお話を通じて、ハナシの中の世界だけじゃなくて、ハナシで描かれたことだけじゃなくて、これは他にも沢山ある物語の一つだよという、フトコロの大きい構造。

みたいなものと、ちゃんとリアリズム×2 した、すんなり聞きやすい会話、少しひねってあったり、一癖ある登場人物の喋り方、ちょっぴり考えさせられるセリフ。うまくガスを抜く、ギャグ。とかとか、色々散りばめられ、かつ、わかりやすい。

出てくる人物は多くて、でも、無駄がなく、それぞれの視点、価値観の違い、とか、うまく描かれていて、鼻につくぐらい。あと、じっさいに上演した舞台では、日常の営みとか、繰り返しとか、命の躍動とか、想起させる、ダンス? のようなものが、効果的に使われていて。かゆいところへの手の届きっぷりが、もう。

登場人物の、そいつが何に重きを置いている、とか、じっさいこういう気持ちを抱えつつも、こういう行動をとってしまう、みたいなのが、けっこう納得のいく作品で、僕は好きでした。

人間が人間らしい(あくまでボクの価値観で)芝居が好きなのです。


続くか未定。

 

〜〜〜

「こいつら皆死んだら、若手に仕事が回ってくるんじゃないか」っていうのは、『笑っていいとも』の最終回を見ているときにも思った。爆笑問題ダウンタウン、うっちゃんなんちゃん、とんねるず、などの大御所から、ありとあらゆる中堅やら実力派やらが集まっているあのスタジオが爆発すれば、生まれた空白に俺も滑り込めるかもしれない、とテレビの前で爆発を祈願していた架空の若手芸人を夢想した。

 

でも、それって、部外者だからこそ想像する夢想だった。自分が愛しているジャンルに関しては、層は厚ければ厚いほどいい、人はいればいるほどいい。幅があればあるほどうれしい。ということも、ある。

 

人間が人間らしい。

という言葉は何が人間で、何が人間でないか、ジャッジするお前は、自分以外の人間について、どれくらいの知見があるんだよ、

という突っ込みどころがあるから、だから、あまりいい言葉ではないのだと思う。

自分自身のことだから、いわんとすることはわかる。

 

脚本の都合で、ドラマツルギーの指令通りに動くロボットみたいな登場人物が気に食わなかった。そこまでして表現(進行?)したいドラマツルギーというものにピンとこなかった。感情と行動を連結するリアリティとか、それを客にみせる細かい表現を省略してまで、テンポ良く繰り広げるドラマチックな状況に萌える、というか。

 

でも人間性の表現とドラマツルギーが連結した傑作もたくさんあるし、

四の五の言わず、ジャンル分けを無視したような傑作を量産する人々も多いので、

 

常にそんなことを考えて作品を作る必要はないのだが、世の中には到底生かしちゃおけねぇような非道い芝居が高額な料金で上演されていたりもするから、こういった理屈口も、廃絶しては不可ないとおもいます。